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このおりものって性病?病院行った方がいい?カンジダ??

このおりものって性病?病院行った方がいい?カンジダ??

「病気かも?」と患者さんが疑問を持って、当院にいらっしゃるパターンで一番多い悩みはなんでしょうか?

「先生、おりものがおかしくて。性病ですか?カンジダですか?」

こういう方が、一日一回はいらっしゃいますね。
「においが気になる。仕事中ずっと気が散る。市販薬を買うか迷っている。相手に言うのは面倒だし、そもそも言いたくない」

こういう皆さんの疑問、どう考えるべきなんでしょうか?


目次(おりもの・性病・カンジダの不安を整理する)


「白い=カンジダ」で片づけたくなる日がある(おりものが白い・かゆい)

ある日、20代の方。
「白いし、ちょっと痒い。だからカンジダだと思って市販のを使ったんですけど、あまりよくならないんです。」

このパターン、かなり多いです。
実際カンジダは「白い」「かゆい」が典型的です。ですが、お薬で治らない。どうしてでしょう?

可能性としては二つ。
「本当はカンジダではない」あるいは「ほかの性病も一緒に感染している」 です。

白くて濃いおりものやかゆみや赤みがあればカンジダですが、かゆみに加えて「匂いが臭い」、おりものはよくわからない、というケースもあります。こういう場合、細菌性膣症、クラミジア、トリコモナスなどが考えられます。また、これらの病気が一緒にかかっているというケースもザラです。また、帯下(おりもの)って、腟だけの話に見えて、頸管(子宮の入口)や、その上の炎症も絡みます。性感染症の世界だと、そこが地味に厄介なんです。


ではこういう場合、どうしたらいいでしょう?(カンジダ・BV・性病の同時対応)

①カンジダと細菌性膣症を同時に治療する ②クラミジア・トリコモナスの迅速遺伝子検査を行う です。

カンジダ・細菌性膣症の検査は即日では難しいのです。そのため同時に治療します。

エビデンス上も問題ありません。


カンジダっぽいのに、カンジダだけじゃないことがある(おりもの+におい)

外来で実際に困るのは、「カンジダっぽい」けど、決めきれないケースです。
白い。かゆい。……でも、においが強い。あるいは、治りきらない。

混合感染や、別の原因が隠れている可能性は、いつも頭に残します。
ここを雑にやると、結局、通院回数が増える。これが一番もったいない。


「においが恥ずかしい」相談:細菌性膣症(BV)の現実(魚臭・水っぽいおりもの)

別の日、30代の方。
「魚みたいなにおいがして、性行為のあとに強い。恥ずかしくて……」

細菌性膣症(BV)は、言葉が強そうで怖がられがちですが、実態としては、「単一の菌がうつる」より「腟内のバランスが崩れる」のに近い。
そして、においが生活の中心を侵食する。仕事も、人間関係も、地味に削られていく。

さらに臨床的には、「においだけ」で終わらせたくない理由があります。
上行感染(骨盤内の炎症)や、他の性感染症の話が絡んでくることがあるからです。
ここは淡々と評価して、必要なら治療して終わらせる。それが一番ラクです。


腟だけじゃない:頸管炎(クラミジア・淋菌)が“おりものだけ”で混ざることがある

この話は、患者さんに言うと一瞬、空気が止まることがあります。
でも大事なので、私は言います。

「腟の炎症だけじゃなくて、子宮の入口(頸管)の炎症が混ざってることもあります」

クラミジアや淋菌の頸管炎は、症状がはっきりしないことがある。
おりものだけで来ることもあるし、そもそも無症状のこともある。
だから、見た目で「性病っぽくない」と感じても、可能性は残る。

ここが、自己判断が外れる理由の一つです。


今日、病院に行った方がいいサイン(受診の目安)

私は、患者さんの予定を奪うのが好きじゃありません。
ただ、例外はあります。迷わず「今日がいい」と言う場面。

  • 発熱、下腹部痛、吐き気がある(上行感染を疑う)
  • 不正出血、性交痛がある(頸管炎や骨盤内炎症の評価が必要なことがある)
  • 強い痛み、ただれ、水疱がある(別ルートの鑑別が必要)
  • 市販薬を使っても改善しない/すぐ再燃する
  • 何回も繰り返す(再発しているかもしれません)

こういう時は、生活の都合よりも先に、身体の都合を取りにいった方がいいことが多いです。


治療の始め方(検査と治療をどう組み立てるか)

症状や所見から典型的だと判断できる場合は、治療を先に始めることがあります。

一方で、他の感染症が隠れている可能性が残る場合は、最初から必要な検査も組み合わせて考えます。

また、短期間で繰り返す場合や治りにくい場合は、原因の確認のために追加の検査が必要になることがあります。


当院で意識していること:通う回数を増やさない(新宿・歌舞伎町の性感染症外来)

歌舞伎町という場所柄、時間の都合がつきにくい方が多い。
だから私は、最初から“何回通うことになるか”を考えます。

  • 頸管炎(クラミジア/淋菌)の可能性が残るなら、病原体検査も視野に入れる
  • 典型例は早く治療に乗せつつ、混合感染を置き去りにしない

長引くほど、生活が削れていくのを何度も見ているので、できるだけ「最短で終わらせる」設計を心がけています。

もし今、検索で迷っているなら、まずは一度ご相談ください。

当院(新宿・歌舞伎町)の診療案内はこちら


よくある質問(FAQ):おりもの・性病・カンジダ

Q. においがある=性病(性感染症)ですか?
必ずしもそうとは限りません。細菌性膣症(BV)などでもにおいが強く出ることがあります。ただ、見た目やにおいだけでは断定しづらいので、必要なら検査で最短に寄せます。
Q. かゆい=カンジダで確定ですか?
かゆみはカンジダで多いですが、他でも起こります。市販薬で改善しない、短期間で繰り返す場合は、原因の取り違えや混合感染も含めて評価した方が早いです。
Q. 洗えば治りますか?
洗いすぎは逆にバランスを崩すことがあります。外側はやさしく、刺激を減らすのが基本です。症状が続くなら、洗うより検査の方が早いです。

参考文献(エビデンスの確認用)

  • CDC. Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines (2021): Vaginal Discharge / Vulvovaginal Candidiasis など
  • ACOG Practice Bulletin No.215: Vaginitis in Nonpregnant Patients (2020)
  • 日本性感染症学会(2008)「帯下:症状とその鑑別診断」「性器カンジダ症」「細菌性膣症」
  • 日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会『産婦人科診療ガイドライン—婦人科外来編』(最新版該当章)

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