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新宿歌舞伎町の精神科|うつ病と双極性障害(躁うつ病)の違いと見分け方
新宿歌舞伎町の精神科が解説|うつ病と双極性障害(躁うつ病)の違いと見分け方
「自分はうつ病なのか、それとも躁うつ病(双極性障害)なのか分からない」
「薬は飲んでいるけれど、本当に今の診断が合っているのか不安」
気分の落ち込みが続くと、多くの方が「うつ病かもしれない」と考えますが、実はその中に双極性障害(躁うつ病)が隠れていることも少なくありません。診断を間違えたまま治療を続けると、薬が効きにくかったり、逆に調子を崩してしまうこともあります。
この記事では、うつ病と双極性障害の違い・見分け方を、専門用語をできるだけかみ砕きながら解説します。
当院(シティライトクリニック歌舞伎町)では、こうした気分の波に関するご相談・診療も行っています。
うつ病とは?
うつ病は、医学的には「大うつ病性障害」と呼ばれます。代表的な特徴は、次のような状態が少なくとも2週間以上ほぼ毎日続き、生活や仕事に支障が出ていることです。
- 気分の落ち込み(気分が沈む、悲しい、虚しい)
- 今まで楽しめていたことが楽しめない(興味・喜びの低下)
- 疲れやすい、体が重い
- 眠れない、または寝過ぎてしまう
- 食欲が落ちる、または食べ過ぎる
- 自分を責める気持ちが強くなる
- 集中力が落ちる、決められない
- 「生きていたくない」と感じることが増える など
うつ病では、基本的に「低いギアのまま続いている状態」が中心です。気分が波打つことはあっても、「異常にテンションが高い時期(躁状態)」はありません。
双極性障害(躁うつ病)とは?
双極性障害は、名前のとおり「気分が低い極(うつ)」と「気分が高い極(躁・軽躁)」の両方を持つ病気です。
- 双極Ⅰ型障害:はっきりした躁状態(ハイテンションで生活に支障が出る)が少なくとも1回以上ある
- 双極Ⅱ型障害:うつ状態に加えて、そこまで重くないが明らかな軽躁状態(いつもより明らかにテンションが高い時期)がある
多くの人はまず「うつ状態」のときに受診するため、最初は「うつ病」と診断され、そのあとで「実は双極性だった」と分かるケースも一定数あります。
一番大きな違い:躁(そう)・軽躁状態の有無
うつ病と双極性障害の一番大きな違いは、「躁または軽躁の時期があるかどうか」です。
躁状態(そうじょうたい)とは、簡単にいうと「アクセルを踏みすぎている状態」です。例えば:
- いつもより自信満々で、何でもできる気がする
- ほとんど寝ていないのに元気に動き回れる
- 次々にアイデアが浮かび、しゃべり続ける
- お金を使いすぎる、仕事や人間関係で大きな無茶をしてしまう
- イライラして怒りっぽくなり、ケンカが増える
これが数日〜1週間以上続き、仕事や生活に明らかな支障が出る場合、「躁状態」の可能性があります。そこまで激しくはないが「いつもより明らかにテンションが高くて、周りからも違いを指摘された」程度の状態は「軽躁」と呼ばれます。
一方、うつ病では、こうした「明らかな躁・軽躁の時期」はありません。ここが診断においてとても重要なポイントです。
うつ病と双極性障害の見分け方:よく確認するポイント
実際の診療では、次のような点を丁寧にうかがいながら、うつ病か双極性障害かを見分けていきます。
1. これまでの人生の中に「ハイになりすぎた時期」がなかったか
患者さんご本人は「ただ調子がよかっただけ」と思っていても、実は躁・軽躁に当てはまることがあります。例えば:
- 3〜4時間しか寝ていないのに全く疲れずに動き回れていた
- 普段は慎重なのに、その時期だけ高額な買い物や投資を繰り返した
- 周囲から「しゃべりすぎ」「テンション高すぎ」と指摘された
- 異常なハイテンションのあと、ひどい落ち込みがセットで来る
こうしたエピソードがあると、双極性障害の可能性をより強く考えます。
2. うつの始まりの年齢や、くり返し方
- 10代後半〜20代前半から強いうつを何度もくり返している
- 軽いうつではなく、寝込んでしまうようなエピソードが何度もある
- 季節の変わり目や環境の変化で、大きく気分が揺れやすい
このような経過の場合、うつ病だけでなく双極性障害も念頭において診察します。
3. 家族に「躁うつ」や気分の波の大きい人がいないか
双極性障害は、家族の中に同じ病気や気分の波の大きい人がいることが少なくありません。家族歴は診断のヒントになります。
4. 抗うつ薬で逆に不調が強くなっていないか
双極性障害の方に、抗うつ薬だけを使うと、
- 急にテンションが上がりすぎてしまう
- イライラや不安が強くなる
- 気分の波が激しくなる(良くなったり悪くなったりをくり返す)
といった「スイッチ」や「悪化」が起きることがあります。こういった経過がある場合も、双極性障害を疑って診断を見直します。
治療方針も大きく違います
うつ病(大うつ病性障害)の治療
うつ病の場合、ガイドラインではおおむね次のような治療が推奨されています。
- 休養・生活リズムの調整
- 心理社会的支援(カウンセリング、認知行動療法など)
- 必要に応じた抗うつ薬(SSRIなど)の内服
重症度や再発の回数によって、薬物療法の強さや期間を調整していきます。
双極性障害(躁うつ病)の治療
双極性障害では、うつ状態だけでなく、躁・軽躁状態を含めて「気分の波全体」を安定させることがゴールです。そのため、
- 気分安定薬(リチウム、バルプロ酸、ラモトリギンなど)
- 非定型抗精神病薬
- 必要に応じて心理療法(対人関係・社会リズム療法など)
といった治療が組み合わせられます。
特に重要なのは、双極性障害では抗うつ薬の単独使用は原則として避けるべきとされている点です。気分安定薬などと組み合わせて慎重に使うか、そもそも使わない選択肢も含めて検討します。
自分で判断しにくいからこそ、専門的な評価が大切
うつ病と双極性障害は、落ち込んでいるときの症状がよく似ています。そのため、ご本人だけで「どちらか」を判断するのは非常に難しい病気です。
診断の際には、
- 現在の症状だけでなく、これまでの気分の波の歴史
- 家族歴(似た症状の家族がいないか)
- 薬を飲んだときの反応(効き方・悪化の仕方)
- 睡眠リズム・生活パターン・ストレスの状況
などを総合的に確認する必要があります。
こんなときは一度ご相談ください
- 「うつ病」と言われて薬を飲んでいるが、なかなか良くならない
- 元気なときと落ち込むときの差が激しく、周囲からも指摘される
- 少し寝不足が続いただけで、ハイになりすぎてしまうことがある
- 過去に抗うつ薬で不眠・イライラ・浪費などが急にひどくなったことがある
- 家族に「躁うつっぽい」と言われたことがある
必ずしもすべてが双極性障害につながるわけではありませんが、「違いが気になる」「どちらなのか整理したい」というタイミングで相談いただくことは、とても意味があります。
当院(シティライトクリニック歌舞伎町)での診療
当院は、新宿・歌舞伎町エリアで夜22時まで診療している精神科クリニックです。
お仕事などで生活リズムが不規則になりやすい方の、うつ状態・気分の波に関するご相談も多くお受けしています。
初診では、
- これまでの気分の変化の経過
- うつ状態だけでなく、ハイになりすぎた時期の有無
- 睡眠・お酒・生活リズムの状況
- ご家族の病歴や、過去の治療歴
などを丁寧にうかがい、うつ病・双極性障害を含めた診断の整理と、薬物療法・心理的支援・生活調整を含めた治療方針を一緒に考えていきます。
「今の診断で合っているのか不安」「これから先の再発予防まで含めて相談したい」という方も、どうぞ一度ご相談ください。
受診方法・お問い合わせ
当院の診療内容・診療時間・アクセス・ご予約方法は、公式サイトにてご確認いただけます。スマートフォンからも見やすい構成になっています。
参考リンク(外部サイト)
- NICE guideline CG185: Bipolar disorder – assessment and management
- CANMAT and ISBD 2018 guidelines for bipolar disorder treatment
- American Psychological Association: Clinical Practice Guideline for Depression
- Distinctions between bipolar and unipolar depression
- Depression preceding diagnosis of bipolar disorder
- Bipolar disorders: evaluation and treatment(AAFP)
- Bipolar disorder: assessment and management(NICE guideline overview)
- Mayo Clinic: Depression – diagnosis and treatment
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個々の診断・治療方針を決定するものではありません。実際の診療については、必ず医療機関を受診し、担当医とご相談ください。

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