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新宿歌舞伎町の精神科|デパスなどベンゾジアゼピン薬解説
新宿歌舞伎町の精神科が解説|デパスなどベンゾジアゼピン系の薬について
「精神科でもらう薬って、依存にならないの?」「デパスってよく聞くけれど、どんな薬?」
そんな不安や疑問をお持ちの方に向けて、新宿歌舞伎町で夜22時まで診療しているシティライトクリニック歌舞伎町が、できるだけ専門用語をかみ砕いて解説します。
当院では、必要に応じてデパス(エチゾラム)をはじめとしたベンゾジアゼピン系抗不安薬・睡眠薬の処方を含む精神科診療を行っています。ただ「とりあえず薬を出す」のではなく、リスクややめ方も含めて丁寧に説明し、一人ひとりの生活スタイルに合わせて調整していくことを大切にしています。
精神科でよく使われる「ベンゾジアゼピン系の薬」とは?
デパスは、正式には「エチゾラム」という成分名を持つ、ベンゾジアゼピン受容体作動薬というグループの薬です。一般には「ベンゾジアゼピン系」「安定剤」「抗不安薬」と呼ばれることが多いお薬です。
人の脳には、神経の興奮をしずめるGABA(ギャバ)というブレーキ役の神経伝達物質があります。
ベンゾジアゼピン系の薬は、脳の中でGABAが働きやすいようにサポートし、
- 不安・緊張をやわらげる(抗不安作用)
- 寝つきを助ける(催眠・鎮静作用)
- 筋肉のこわばりをゆるめる(筋弛緩作用)
- けいれんを抑える(抗けいれん作用)
といった効果を示します。
イメージとしては、アクセルを踏みっぱなしになっている脳の状態に、そっとブレーキをかけてあげる薬、と考えていただくと分かりやすいかもしれません。
デパス(エチゾラム)の特徴と使われる場面
デパスは、エチゾラムという成分を含む抗不安薬の先発医薬品の商品名です。現在は同じ成分のジェネリック医薬品(「エチゾラム錠」など)も多く使われています。
主に次のような症状に対して使用されます。
- 不安感・緊張感が強い
- イライラして落ち着かない
- 眠れない(入眠困難・中途覚醒など)
- 肩こりや首のこりなど、筋肉の緊張が強い
飲んでから効果が出るまでの時間は比較的早く、頓服(つらいときだけ飲む)として使われることもあります。
一方で、依存性や離脱症状のリスクがある薬でもあるため、現在は日本でも慎重な使用が求められています。
ベンゾジアゼピン系薬のメリット:今のつらさを短期的に和らげる
ベンゾジアゼピン系の薬の一番の利点は、「効果が出るのが速いこと」です。
- 人前に立つと震える、動悸がする
- 布団に入っても頭がさえて眠れない
- 仕事中に不安やパニックのような症状が出てしまう
こういった「今この瞬間のつらさ」に対して、数十分〜1時間程度で効き始めることが多く、日常生活や仕事をどうしても休めない方にとって、頼りになる場面も少なくありません。
新宿エリアのように夜遅くまで働く方では、生活リズムが不規則になりやすく、睡眠や不安の問題が出やすい傾向があります。そのような場合に、短期的に症状を和らげる目的でベンゾジアゼピン系薬が選択されることがあります。
ベンゾジアゼピン系薬のデメリット・注意点
1. 依存性・耐性(だんだん効きにくくなる)
ベンゾジアゼピン系の薬を長期間飲み続けると、
- 同じ量では効きにくく感じる(耐性)
- やめようとすると不安・不眠・イライラが強くなる(離脱症状)
といった状態になることがあります。特に、毎日飲む量や回数が増えてしまうと、身体依存・精神依存が形成されやすくなります。
そのため、厚生労働省や医薬品医療機器総合機構(PMDA)からも、
- 漫然と長期間飲み続けない
- 必要最小限の量と期間にとどめる
- 中止するときは、急にやめず少しずつ減らす
といった注意喚起が繰り返し出されています。
2. 眠気・ふらつき・転倒リスク
ベンゾジアゼピン系薬は、脳の働きをしずめることで不安を和らげますが、その分眠気・ふらつき・ぼーっとする感じが出ることがあります。
- 車の運転や危険な作業は避ける
- お酒との併用は、眠気や呼吸抑制が強くなるため危険
- 高齢の方は、夜間の転倒・骨折リスクが上がる
といった点にも注意が必要です。
3. 記憶力・考える力への影響
人によっては、飲んでいるあいだに記憶力が落ちたように感じる、やる気が出ない、ぼんやりするといった訴えが見られることもあります。
特に、多剤併用(同じような薬をいくつも飲む)や長期の服用は、できるだけ避けた方がよいと考えられています。
市販薬や個人輸入でデパスを飲むのは危険
デパス(エチゾラム)は医療用医薬品であり、日本では薬局で市販されていません。
インターネットで個人輸入のような形で販売されている製品には、
- 成分量が正しくない(効きすぎる/効かない)
- 偽造品である
- 品質管理が不十分で健康被害のリスクが高い
といった危険性が指摘されています。
自己判断で入手して飲むことは、絶対におすすめできません。
「眠れないから」「不安だから」といった症状が続く場合は、必ず医療機関を受診して、原因や治療の選択肢を一緒に検討していくことが大切です。
薬だけに頼らない治療も大切です
不安や不眠、気分の落ち込みなどの症状は、薬だけでなく、
- 生活リズムの調整(睡眠時間・光の浴び方・カフェイン量など)
- ストレス要因の整理や環境調整
- 認知行動療法などの心理的アプローチ
によっても改善していくことがあります。
ベンゾジアゼピン系の薬は、あくまで「つらさを短期的に和らげる道具」のひとつです。
当院では、「薬は非常に役立つこともあるが、飲み方・期間・やめ方を一緒に考えることが重要」というスタンスで診療を行っています。
当院(シティライトクリニック歌舞伎町)での診療について
シティライトクリニック歌舞伎町は、新宿・歌舞伎町エリアにあるメンタルクリニックです。
夜22時まで診療しているため、
- 仕事が終わる時間が遅い方
- 昼間はどうしても受診が難しい方
でも通院しやすい体制を整えています。
当院の精神科外来では、
- 不安・パニック・不眠・気分の落ち込みなどのご相談
- デパスを含むベンゾジアゼピン系薬の整理・減量の相談
- 他院で出ている薬について「本当にこのままでよいのか」セカンドオピニオン的な相談
などもお受けしています。
薬の処方が必要な場合には、メリットとリスクをわかりやすく説明し、できるだけ少ない量・短い期間で済むように一緒に計画していきます。すでに長期間飲み続けていて減らしにくい方には、急にやめずに、少しずつ段階的に減量する方法を検討します。
受診を迷っている方へ
「このままデパスを飲み続けて大丈夫なのか不安」「最近、薬の量が増えてきている」「眠れなくて、市販薬やお酒に頼ってしまう」——そんなお悩みがある方は、一度ご相談ください。
当院は、症状だけでなく、生活リズムやお仕事の状況もお伺いしながら、あなたのペースに合わせた治療を一緒に考えていきます。
ご予約・アクセスはこちら(シティライトクリニック歌舞伎町 公式サイト)
参考リンク(外部サイト)
- 厚生労働省「催眠鎮静薬,抗不安薬及び抗てんかん薬の依存性に係る注意事項について」
- PMDA「ベンゾジアゼピン受容体作動薬の依存性について」
- エチゾラム(デパス)の解説(医薬品情報サイト)
- エチゾラム(デパス)の効果と副作用(こころみクリニック)
- MSDマニュアル「鎮静薬」
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の薬の使用を推奨するものではありません。実際の服用・中止については、必ず担当医とご相談ください。
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