Chlamydia クラミジア
クラミジア感染症は Chlamydia trachomatis による粘膜感染で、咽頭・直腸を含め男女とも無症状が多い一方、見逃すと拡がりやすい疾患です。放置すると女性は子宮頸管炎〜骨盤内炎症性疾患(PID)から不妊・異所性妊娠、男性は精巣上体炎などの合併症を来し得ます。診断は尿・子宮頸部・咽頭/直腸の核酸増幅検査(NAAT:PCR/TMA)で早期検出が可能です。当院(シティライトクリニック歌舞伎町)は夜間の即日検査(淋菌同時判定可)と適切な抗菌薬治療に対応—不安は今日のうちに。
この記事の監修ドクター
須藤 英隼 シティライトクリニック歌舞伎町
クラミジアとは
クラミジア感染症はクラミジア・トラコマティス(Chlamydia trachomatis)による粘膜感染で、膣性交・オーラル・アナルを介して尿道・子宮頸部・咽頭・直腸に成立します。無症状のまま保菌している例が多く、知らないうちに感染を広げやすい点が特徴です。放置すると、女性は子宮頸管炎〜骨盤内炎症性疾患(PID)→不妊・異所性妊娠、男性は精巣上体炎など将来的な合併症を来し得るため、早期の検査と適切な治療が重要です。
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病原体:Chlamydia trachomatis(主に血清型D–Kが性器感染の原因)
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感染者数:日本で最も多い性感染症で、若年層を中心に増加傾向。年間の報告数は数万件規模(最新の公表統計への更新を推奨)。
クラミジアの感染経路
クラミジアに感染する部位
- 尿道(男性)
- 子宮頸部・膣(女性)
- 咽頭(のど)
- 直腸・肛門
- 結膜(新生児の産道感染による結膜炎)
クラミジアに感染する行為
- 膣性交による粘膜接触
- オーラルセックスによる粘膜接触(口→性器/性器→口)
- アナルセックスによる粘膜接触
- 出産時の母子感染(産道通過時)
- ※空気・水・便座・日常接触では感染しない
クラミジアは、感染者の精液や膣分泌液が粘膜に触れることで、尿道・子宮頸部・咽頭・直腸などへ侵入します。具体的には膣性交、オーラルセックス、アナルセックスを介した粘膜同士の接触が主な感染経路です。また、妊婦が感染している場合は、分娩時に新生児が産道を通過する際に結膜などへ感染することがあります。一方で、クラミジアは空気中や水中では生存できず、プール・便座・日常的な接触のみで感染することはありません。
クラミジアの症状
クラミジアの潜伏期間は通常1〜3週間です。しかし、多くの場合、特に女性では約80%が無症状であるため、自覚症状がないまま感染を広げることがあります。男性・女性それぞれ、以下のような症状が現れることがあります。これらの症状は軽度であることが多く、自覚しづらいため注意が必要です。感染が進行すると、子宮頸管炎や骨盤内炎症性疾患(PID)を引き起こし、不妊症や流産、子宮外妊娠などのリスクが高まります
男性
- 排尿時の痛み
- 尿道からの透明または白色の分泌物
- 性器周辺のかゆみや不快感
女性
- おりものの増加
- 不正出血
- 下腹部痛
- 性交時の痛み
クラミジアの検査方法
クラミジア検査は、男性は初尿、女性は尿・あるいは子宮頸部・膣スワブを用いて行い、診断は核酸増幅検査(NAAT:PCR/TMA)で病原体の遺伝子を検出します。性行為の様式に応じて咽頭・直腸も対象にでき、淋菌の同時検査が一般的です。
検体と採取方法(部位設計が精度を決める)
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基本検体
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男性:初尿(最初の尿)10–20 mL。採尿前は1–2時間の排尿控えが望ましい。
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女性:子宮頸部スワブまたは自己採取膣スワブ。自己採取は受診障壁を下げ、精度も良好。
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追加検体(行為歴に応じて)
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咽頭スワブ:オーラルセックス歴がある場合。
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直腸スワブ:アナルセックス/肛門接触歴がある場合。
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採取時の注意
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膣洗浄・膣剤・うがい薬の直前使用は避ける。
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直近の抗菌薬内服は偽陰性の原因。内服歴があれば申告。
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月経中も採取は可能だが、採取手技で血液混入を最小化する。
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検査技術と同時判定(NAATの特長を活かす)
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NAAT(PCR/TMA)の強み:培養不要で高感度・高特異度。少量の菌量でも検出可能。
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同時検査:同一検体でクラミジア+淋菌を同時に判定できるパネルが主流。症状の重なりが多いため実務的。
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自己採取の有用性:自己採取膣スワブは医療者採取と同等の成績が報告されており、プライバシー性・受けやすさを確保。
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品質管理の要点:粘液過多・血液・消毒薬は阻害物質となることがある。採取〜搬送は指示どおりの容器・温度管理で。
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結果の解釈:陽性=遺伝子検出。治癒判定は原則症状消失と治療完遂で行い、再感染拾い上げ目的で3か月後の再スクリーニングを推奨。
検査のタイミングと戦略(ウインドウ期を見逃さない)
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潜伏期とウインドウ:潜伏は通常1–3週間。暴露直後は陰性でも、1–2週で一次検査→陰性時は3週前後で再検が安全策。
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部位選択の戦略:症状だけで判断せず、行為歴(膣・口・肛門)に応じて部位追加。咽頭・直腸は無症状が多く、部位抜け=見逃しにつながる。
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前処置の指示:
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採尿前1–2時間は排尿を控える(初尿濃度を確保)。
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検体採取直前のうがい・膣洗浄・座薬は避ける。
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再検とスクリーニング:治療後のテスト・オブ・キュアは通常不要だが、妊娠中・症状遷延・治療不遵守・再暴露時は前倒し再検。リスクが高い方は3–6か月ごとの定期スクリーニングを。
クラミジアの治療方法
クラミジア感染症は抗生物質によって治療されます。一般的には以下のような治療法があります:
- 男性: アジスロマイシン(単回投与)またはドキシサイクリン(7日間服用)
- 女性: アジスロマイシンまたはドキシサイクリン(同様)
治療中はパートナーも同時に検査・治療を受けることが重要です。また、治療後も再感染を防ぐため、不特定多数との性行為を避けることが推奨されます。
耐性菌(治療不成功の背景)
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マクロライド(アジスロマイシン)関連の治療失敗:特に直腸感染ではドキシサイクリン7日間のほうが成績が良好とされ、単回アジスロマイシン後の残存・再陽性が問題になることがあります。
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「耐性」だけでは説明できない要因:クラミジアは古典的な耐性マーカーが限られる一方、異型持続(persistence)や服薬不遵守、**再暴露(パートナー未治療)**で「治らない」ように見えるケースが少なくありません。
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共感染の見落とし:淋菌、マイコプラズマ属(特に M. genitalium)などの共感染が症状を遷延させることがあります。初回からNAATの同時パネルでチェックし、必要に応じてレジメンを調整します。
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実務ポイント:直腸・咽頭関与が疑われるとき、または再発例ではドキシサイクリン優先を検討。服薬完遂とパートナー同時治療の徹底が最重要です。
治療期間(陰性化までの目安)
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症状の改善:適切治療で数日〜1週間で軽快が始まります。
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感染性の低下と性行為再開:
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アジスロマイシン単回:内服後7日が経過し、症状が落ち着くまで性行為は中止。
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ドキシサイクリン7日間:最終服用まで完遂し、開始から7日経過かつ症状軽快を確認してから再開。いずれもパートナーの治療完了が前提です。
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検査の陰性化(NAAT再検の扱い):治療後もしばらく残存DNAで3〜4週間は陽性に出ることがあります。
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再感染スクリーニング:治療がうまくいっても3か月前後での再検査を推奨(再感染拾い上げ目的)。ナイトワークなどリスクが高い方は定期的スクリーニングを前提にします。
当院(新宿歌舞伎町)では、行為歴に基づく部位設計(尿/膣・頸部/咽頭/直腸)、淋菌同時NAAT、そして服薬・パートナー対応まで一気通貫でサポートします。
クラミジアの予防方法
- コンドームの使用
- 定期的な検査
- パートナーへの教育
クラミジア感染症を予防するためには以下の対策が有効です:
- コンドームの使用: 性行為時には必ずコンドームを使用し、安全な性行為を心掛ける。
- 定期的な検査: 特にリスクの高いライフスタイルを送っている場合は定期的に性感染症検査を受ける。
- パートナーへの教育: パートナーにも性感染症について理解してもらい、一緒に健康管理を行うことが重要です。
クラミジアの検査・治療価格
クラミジアについて よくあるご質問
心当たりから1–2週間で一次検査、陰性でも不安が残る場合は3週前後で再検が安心です(ウインドウ期対策)。rnrn症状がある/相手が陽性と言われた場合はすぐ受診し、必要に応じて再検を組み合わせます。
男性:初尿(最初に出る10–20mL)。採尿前は1–2時間の排尿控えを。rnrn女性:尿検査及び子宮頸部スワブ(精度良好)rnrn行為歴に応じて咽頭・直腸スワブも追加(オーラル/アナル歴がある方は推奨)。rnrn検査前はうがい薬・膣洗浄・直近の抗菌薬を避けると精度が上がります。
検査は**NAAT(PCR/TMA)**で高感度。当院は最短即日判定・同日治療にも対応します(状況により)。rnrn陽性時はパートナーの同時検査・同時治療が必須。治療完了・症状軽快まで性行為は中止してください。
03-6265-9265